カフェとカフェ開業について調べれば調べるほど、起業するにはリスクが高い業態だと感じる。第1話にも書いたとおり、飲食店は2年で5割、10年で1割しか生き残れない。うまく滑り出しても黒字化までは平均6.7ヶ月かかる。また、第8話で判明した、厚労省が2013年に実施したアンケート調査によると、「個人経営では"土地・建物とも自己所有"が56.5%と半数を超えている」という、なんとなく知っていたが決定的な事実がある。とすると…。
テナントで10年以上続けるのは難しいのだろうか?
テナントを借りて経営しているカフェや喫茶店で、10年以上経営を続けるのは難しいのではないだろうか?という疑問が当然湧いてくる。
実際、大船駅近くの喫茶店を訪問しようにも、案外に少ない。Googleマップ上に存在していても、行ってみると別の店舗に変わっていたりするのだ。
Cafe 4Uとの出会い
そんな中で、Cafe 4Uさんを訪問できたのは幸運だった。大船仲通り商店街の市場ゾーンから大船小学校方面に向かう通りには、おしゃれな飲食店が立ち並んでいる。その一角にあるのがCafe 4Uさんだ。なんと開業してから今年で15年目とのこと。大船駅のカフェで10年以上継続しているお店がほとんど無い中で、この実績は強い。
15年も続いているカフェは、必ず何か特別なものを持っているはず。その秘密を探りたい!
身銭を切る人の言葉は重い
個人的な信条として「身銭を切っている人の言葉」は信じることにしている。
コーヒー素人かつ一見客の私に、カフェ運営について色々教えてくださった。具体的な内容はここでは伏せるが、私のカフェ開業メモに新たに2行が追加された。
- スペシャルティコーヒーにこだわる必要はないかも
- コーヒー プラス アルファの必要性
プラス・アルファの重要性
Cafe 4Uさんのプラス・アルファはおそらくパニーニだ。(この日はホットコーヒーだけ頂いたので、次回はセットでいただこうと思う。)このプラス・アルファは、選択肢が多すぎてもダメだろう。パニーニやスイーツはちょうどいいサービスのような気がする。
そして、扱っている珈琲豆がスペシャルティコーヒーではなかったこと。先日発売されたBRUTUSのコーヒー特集などから感じる、キラキラに輝くバリスタたちが淹れるスペシャルティコーヒーにあらずんばコーヒーじゃない的な雰囲気がコーヒー素人にはある。(個人の感想です。)
ライト層を見据えたビジネス戦略
しかし、データ的にはスペシャルティコーヒーの流通量は1%から5%と言われている。つまり、普段コーヒーを飲んでいるほとんどの人たちはスペシャルティコーヒーを飲んでいないのだ。どんな業界でも、顧客の99%はライト層と呼ばれる人たちである。ビジネスの視点で考えた場合、メイン顧客であるライト層と、希少品であるスペシャルティコーヒーの組み合わせがバチッとハマる環境ではまだないだろう。
炭焼コーヒーの魅力
話を戻そう。
席についた私の前にグラスに注がれた一杯の水。まだまだ暑い日が続くから助かる—とその時は思ったが、後で調べると、口の中が乾いていると味覚が鈍感になるため、コーヒーの前に水を飲むのが作法の一つらしい。(こういう組み合わせの妙は好きだ。)
そして、一杯のホットコーヒー。—— 美味しい。使用する自家焙煎機は炭火焼タイプ。開業からの15年戦士だそうだ。フジローヤルという日本のメーカーらしい。
炭火焼の自家焙煎機が15年も現役とは驚きです。長年の経験が美味しいコーヒーを生み出しているんですね。
おしゃれな穴場カフェ
店内の雰囲気。—— 良い。
大船駅近くで、おしゃれなカフェを探しているなら、Cafe 4Uは穴場かもしれない。大船カフェチェーンとは一味違う個性的な空間が広がっています。