スターバックスのビジネスモデルについてチクチク刺してきたこのブログだが、今日はその中興の祖であるハワード・シュルツの自伝本、『スターバックス成功物語』を紹介したい。カフェ開業を目指すビジネスマンなら、読んでおいて損はないと思う。
ハワード・シュルツは何をした人ですか?
ところで、ハワード・シュルツとは何者だろうか?彼の経歴を簡単にまとめると以下の通りだ。
- 社員数人の中小企業だったスターバックスに入社
- スターバックスを退社
- 自分の会社を起業(イル・ジョルナーレ)
- スターバックスを買収
- 自分の会社の社名をスターバックスに変更
これだけで彼が面白い人物だとわかるだろうか?強烈なスターバックスへの愛を感じる。
スターバックス成功物語から学ぶこと
今日のテーマは「スターバックス成功物語を読んでモチベーションを上げる」だ。これからカフェ起業を目指す我々にとって、スターバックスが企業として軌道に乗った中盤以降の規模拡大や経営戦略の本よりも、ハワード・シュルツが加わる前のスターバックスがどのように生まれたのか?エリートサラリーマンの地位を捨ててまで彼が働きたくなったスターバックスとは何だったのか?彼が自分の立ち上げた会社の名前を変更してまでスターバックスの名前に拘った背景とは?これらを知ることで、我々のモチベーションも高まるだろう。
スターバックス創業者のひとりゴードンの直感
1970年のある晴れた日、いつものようにマーチーズ店でコーヒー豆を買って帰る途中、ゴードンの脳裏にある考えがひらめいた。後にゴードンはシアトル・ウィークリーの記者に、「使徒パウロのように、サミシュ湖に反射する太陽の光に目がくらんだ瞬間、シアトルにコーヒー店を開こう!と思ったんだ」と語っている。ゴードンは自分の考えが気に入り、隣人で紅茶が大好きなゼブも乗り気になった。こうして3人の仲間たちは1,350ドルずつ資金を出し合い、さらに銀行から5,000ドル借金してコーヒー店を開いたのである。
やはり起業の決断は直感なのだろうか?しかし、実際には様々に思考を巡らせた結果、直感的に結論が導かれるのだと思う。だから私もこのブログを使って思考を巡らせている。
「市場調査は不要」に賛同
しかし、スターバックスの創立者たちは市場調査などはせず、自分たちに必要なこと、つまり良質のコーヒー豆を扱うことだけに専念したのである。1960年代、アメリカの大手コーヒー会社は価格競争を展開した。コストを削減するために、風味を犠牲にして安物の豆を混ぜてブレンドしたり、缶入りコーヒーが売れるまでスーパーマーケットの棚から引き取らない会社もあった。広告宣伝競争で質の高さを強調しながら、缶入りコーヒーの品質は低下する一方だった。
市場調査に意味がないとは言わないが、最終的な結果に責任を持つのは自分だ。だから、自分が見聞きして信じるものに投資することは筋が通っていると思う。
最近の浅煎りブームって?
包装食品会社は浅煎りコーヒーを好むが、それはその方が儲かるからだ。焙煎に時間をかければかけるほどコーヒー豆は軽くなる。重量に10%から50%もの差が出るので、大会社ほど影響が大きい。浅煎りにすれば費用も節減できる。しかし、スターバックスは儲けることより、コーヒーの風味にこだわり続けた。
私の周囲にも浅煎りコーヒーが好きな人はあまりいないのだが、最近の浅煎りブームってひょっとして利益を追求するための戦略なのかもしれない。しかし、スターバックスの事例から学べるのは、真に顧客価値を追求することの重要性だ。
スターバックスの社名決定プロセスを理論的に解説
社名はとてつもなく大事
ゴードンは新しい店の名前をどうするか、創造力豊かなパートナーでアーティストのテリー・ヘクラに相談した。ゴードンが考えていたのは、メルビルの小説『白鯨(モービー・ディック)』に登場する船の名前「ピークォド」(Pequod)だ。しかし、テリーは猛反対した。「とんでもない!pee(おしっこ)quod(刑務所)なんて、誰が飲むものか!」。
特色があって、しかも北西部に関係がある名前がいい、ということで二人の意見が一致した。
ゴードンは今世紀の初めにレーニア山にあった採掘場の名前を調べて、スターボ(Starbo)という名前を選び出した。議論を重ねた結果、スターボはスターバックス(Starbucks)に変わった。文学好きのジェリーがもう一度、『白鯨』に関連づけたのである。ピークォド号の一等航海士の名前が、たまたまスターバックだったのだ。スターバックスという名前は、大洋のロマンスと初期のコーヒー貿易商人たちの船旅を思い起こさせる。
Starbucksの語感や語呂の良さ
社名は企業のアイデンティティを象徴する重要な要素だ。特に「スターバックス(Starbucks)」という名前は、その語感や語呂の良さが際立っている。濁音(が行、だ行、ば行)を混ぜると言葉に力強さや親しみやすさが生まれると言われているが、スターバックスもその例に漏れない。「スター」という明るいイメージと、「バックス」の濁音が組み合わさり、記憶に残りやすく、口に出してもリズミカルだ。これはブランド名として非常に効果的だろう。
実際、マーケティングの世界では濁音を含むブランド名や商品名が多い。例えば、「バーガーキング」や「グーグル」などがそうだ。濁音は人の注意を引きやすく、言葉にエネルギーを与える。スターバックスの創業者たちがどこまで意識していたかは定かではないが、その社名には無意識のうちに人を惹きつける要素が含まれているのだろう。
このプロセスは、スターバックスがどのようなコンセプトで製品化しているかを示している。つまり、コーヒーを通じて物語や冒険、ロマンを提供するブランドであるということだ。
まとめ:スターバックス成功物語から学ぶこと
ハワード・シュルツが何をした人なのか?彼はスターバックスを世界的なブランドに成長させた立役者だ。そして、その背景には創業者たちの熱い思いと独自の経営戦略があった。スターバックス成功物語を読むことで、成功物語とは何かを深く考えさせられる。カフェ起業を目指す者として、彼らの物語から学べることは多い。
もし興味があれば、『スターバックス成功物語』やその他の経営戦略の本をKindleで探してみてはいかがだろうか。スターバックス成功物語の要約や、スターバックス物語を通じて、自分のビジネスにも新たな視点を取り入れることができるかもしれない。
カフェ開業を目指す私たちにとって、スターバックスの成功物語は単なる参考事例以上の価値があります。それは、情熱を持って自分の信じる道を進むことの大切さを教えてくれるのです。